* あずきちゃん of 幸せのしっぽのために ~免疫介在性溶血性貧血に負けない!~


あずき.JPG

あずきちゃん
ミニチュアダックスフント

生年月日
2006年4月7日生まれ
女の子、帝王切開による出産経験あり、避妊済み
発症
2009年9月ごろ
病気に気付いたきっかけ・詳細
散歩を嫌がるようになり、へたり込んだりパンティング*1が激しかったりしていたが
暑さのせいかと思ったりしていました。
毛艶も悪かったのですが、産後のせいとトリマーさんに言われた。
それでも口臭も強いように思ったし、なんとなく出産前より元気が無いのが気になっていました。
この頃から、異常に人の手足を舐めるようになる。
その後、9月28日夜に3回血尿があり、夜間動物救急センターに走り
膀胱穿刺による尿検査をしたところ、球菌が認められたので膀胱炎と判断された。
PCVは63.0と高く、貧血は起こっていませんでした。
RBC、Hb、PCV、Naが高値でした。
パンティングもひどく普段水分をあまりとらないのに、この日は異常にお水を欲しがった。
応急的に皮下点滴(アンピシリンナトリウム*2・乳酸リンゲル*3)をして帰宅。
翌日、主治医(出産時お世話になった獣医さんで出産後通院していました。)のもとで
夜間救急の検査結果をもとに、止血剤・抗生剤・皮下補水の点滴を行い
抗生剤服用による膀胱炎の治療をはじめたが、10月2日・9日と血尿があり
食欲がなくなり、嘔吐・頻回尿(1日12~3回)
貧血は起きていないが全体症状が悪いと言う理由で、抗生剤に加えて
プレドニンとアルサルミン(胃粘膜保護剤)を服用する事になる。
単なる元気回復のためにステロイドを処方されましたが
毛艶もよくなり元気になって、血尿も止まったので
11月25日まで徐々に減らしながら、ステロイドを服用。
しばらく落ち着いていたが、12月4日に血尿が再発。
12月7日に出産前まで通っていた病院(現在のホームドクター)へ行き、詳しい検査を依頼する。
レントゲン・エコー・尿検査をするが、膀胱にも異常はなく
以前服用していたステロイドで病気の症状が消えている可能性があるので
再度抗生剤のみの膀胱炎の治療に戻し、異常が現れたら治療を切り替える方法をとる事になった。
12月19日夕方血尿。
いつも夕方~夜にかけて量の多い血尿があり、その後徐々に量と色が少なくなる感じで
3回ほど出たあとは透明に近い薄い尿にかわるので、膀胱炎ではないと思い
2回目が出るのを待って、採取し病院へ持参。
尿検査と血液検査をした際、溶血が起きている事が判明。
PCVは59.0あったのでこの時点では病名は特定せずに、溶血の説明のみ聞いて帰宅。
その後、年末年始にかけて数回血尿があり
2010年1月4日に免疫介在性溶血性貧血と診断される。
PCVは35.1、徐々に緩やかに下がってきている。
レントゲンで脾臓の肥大が確認され、溶血が脾臓で起きているようだと確認される。
もともと血が濃いためか、この数値で既に歯茎は白く、肌も白い。
家でも寝ている事が多くなった。
12月19日以降1月5日までは、止血剤とバイトリル*4服用。
1月4日・5日、ステロイドを注射。
プレドニン1錠、バイトリル半錠、アルサルミン半錠を服用。
その後血尿が止まり、PCVも上がってきて落ち着いてきたので
1月21日よりステロイド1日おき。
2月3日より3/4錠で1日おき。
2月20日より1/2錠を1日おきに服用。3月18日でステロイドを終了。
薬を切って、他の病気の可能性も含め様子を見る。
3月27日、血尿2回
3月29日、血尿3回
クームステストとエリスロポエチン*5の検査を外注する。
結果クームステスト、37℃陽性1024倍
4度陽性1024倍で、免疫介在性溶血性貧血は確定され
エリスロポエチンも20.9と、通常2.8~17.2を上回っているので
普通の子より血を沢山作っている事がわかった。
4月5日、血尿 体温40度
4月9日、血尿 体温40度熱のため、尿の回数量が減る。
4月11日、血尿1回
4月12日、少量の嘔吐1回
4月13日、血尿3回 身体が熱っぽい
4月15日、血尿1回
4月16日に検査を受ける予定だったので、お薬は服用せず。
4月16日、詳しい検査をするため大阪府立大学臨床センターへ
この日も朝から熱があり、40.4度。
レントゲンで脾臓が2倍以上に腫れていることが判った。
最終的には、脾臓摘出を視野にいれておくようにと説明を受ける。
尿検査・血液検査・尿培養検査(外注)・レントゲン・エコー・リュウマチ因子(外注)
抗原抗体・LDH*6・バベシアなどの検査を受ける。
免疫介在性溶血性貧血に間違いないとの診断結果。
非常にマイルドで珍しく、初めてのケースだと言われる。
溶血が起こっているが、人一倍血を作っているので
微妙なバランスで急激な貧血には至っていないが、徐々に貧血に向かっている状態。
16日夕方、ホームドクターにて
プレドニン・アトピカ・バイトリル・アルサルミンの処方を受け現在服用中
プレドニン1錠
アトピカ1錠
バイトリル半錠
アルサルミン半錠を朝服用
夜はアルサルミンのみ
5月4日まで毎日
5日以降プレドニン1日おき
5月27日からプレドニン3/4を1日おき
6月10日よりプレドニン2/1を1日おき服用中
血液検査の詳細
2009年12月19日 (溶血がわかった日)
PCV 59.0
RBC 802
Hb 17.0
WBC 8600
PLT 12.2
2010年1月4日 (免疫介在性溶血性貧血と診断された日)
PCV 35.1
RBC 802
Hb 9.1
WBC 16200
PLT 38.0
その他
最初の血尿から出方が普通ではなく、真っ赤で大量の尿が溜まりきって溢れ出るような変な出方で
2~3回出てあとは通常に戻ったりで、翌朝には潜血反応がでない事が多かったので
膀胱炎ではないのでは?との疑問がずっとありました。
病名が特定できて安心しましたが、どの子のケースもあてはまらず
血液検査の結果は異常がなく、むしろ高い値だったりするので
お薬を切る判断タイミングがわかりにくいのではと思います。
同じような症例の子がいると安心ですが、いないし
貧血が起きていなくても、脾臓の肥大、発熱があったり
隠れた部分に、心配が大きく不安もあります。
ご飯は病気になってから、無添加のドライフードに手作り食をトッピングしてあげています。
帝王切開で生まれた娘のよもぎもいるので
遺伝性があるとも言われているこの病気に発病しないようにと、祈る気持ちでいっぱいです。
人の手足をよく舐めるのは、ナトリウム不足だとあるサイトに掲載されていましたが
あずきの場合、調べてもらったら高めであったので
ナトリウム不足が原因ではありませんでした。
肉球やアスファルトを舐めるのと何か関係があるのかな?と不思議に思います。
飼い主さんのブログ

2010年6月現在

*1 パンティング:舌を出して息を吐く呼吸の事
*2 アンピシリンナトリウム:抗生物質
*3 乳酸リンゲル:不足している水分を補給したり、酸性に傾いた体液を正常に戻す
*4 バイトリル:犬猫の尿路感染症を治療する薬。幅広い細菌に優れた殺菌力を発揮する
*5 エリスロポエチン:赤血球を増やすホルモン。肝臓でも生成されるが、主に腎臓で生成される
*6 LDH:逸脱酵素(本来細胞内で働いている酵素が、何らかの理由で血液中に流出したもの)の血中濃度を測定する事で臓器がダメージを受けていないかを推測する事が可能な、重要な臨床検査項目の一つ
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