* --- of 幸せのしっぽのために ~免疫介在性溶血性貧血に負けない!~


ある薬剤師の方(お友達のワンコが赤芽球癆と診断された)から、こんなメールもいただきました。
何かのヒントになるかもしれないので、ここに転載させていただきます。


飲んでいた薬は
免疫抑制剤:ネオーラル・サンディミュン・プログラフ等
ステロイド
肝庇護:グリチロン
胃保護:アルサルミンとタガメット

パルス療法・ガンマガードも試みたが、無効

骨髄低形成までの段階で試せば効果があったのではないか?と思うのは
・リンフォグロブリン(抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン)
・ゼットブリン(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン)
上記と
G-CSF製剤*1併用も試したかったのですが、わんこは力尽きてしまいました。

骨髄無形成になってしまってから、リンフォグロブリン投与したのですが
その直後だけ、赤血球の増加が見られました。(後にも先にもこのとき1度きり)
なので、もっと速い段階で試していたら・・・という思いを強く持っています。
ちなみにリンフォグロブリン+G-CSF及びゼットブリン+G-SCFは、人の再生不良性貧血の治療法です。
リンフォグロブリンやゼットブリン使用経験のある獣医さんは、皆無といっていいと思います。
でも、γグロブリンやパルスが無効であった場合に試す価値は十分にあると思っています。

*1 G-CSF製剤:もともとは人の体内に存在する、白血球の一種である好中球を選択的に増やす造血因子「顆粒球コロニー刺激因子」を、化学的に作った製剤。




教えていただいた治療法を、順天堂大学医学部附属 順天堂医院 血液内科 「再生不良性貧血の治療について」より抜粋

・免疫抑制療法

ATG、ALG(抗リンパ球グロブリン)

重症、中等症に使用します。
ATG(抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン)は、通常、1日1回10-15mg/kgを生理食塩液またはブドウ糖注射液500mlで希釈し
12時間以上かけて連続5日間点滴静注します。
アナフィラキシー等の過敏症状を起こすことがあるので、使用に際しては十分な問診を行うとともに
あらかじめ本剤の少量を試験投与する事。
過敏症や血清病を予防するために、ステロイドを併用するとよいでしょう。
全例で副作用の発現がみられます。
主な副作用として、熱感、頭痛・頭重感、発疹、脱力感、下痢、めまい、嘔吐、肝機能障害などがあります。
薬物相互作用として、弱毒生ワクチンを接種すると、発病の恐れがあります。30-45%の症例に有効です。
骨髄移植ではドナー由来の正常造血を認めるようになるのに反し、ATG、ALGの効果はゆっくりで
しかも正常レベルまでの造血能の回復を認めないことが多い。
罹病期間が短いほど効果が期待できる可能性が高いので、罹患後1年以内の患者を対象とすることが望ましいでしょう。

シクロスポリン

ATGやALGと同等の治療成績が期待できます。効果の出現には数カ月かかります。
もっとも有効な投与量は12mg/kg/dですが、この量だと腎機能障害予防のために頻回の血中濃度モニタリングが必要となるために
6mg/kg/dから開始することが多い。
副作用としては、腎機能障害、多毛、耐糖能異常、免疫抑制などがあります。
重篤なものでは、高血圧、痙攣発作(低マグネシウム血症のためか)、ニューモシステイス・カリニ感染症があります。

強力免疫抑制療法

欧米からの報告では、ATGまたはALGとCyA(シクロスポリン)を併用する強力免疫抑制療法は
各々を単独で使用した場合に比べて、はるかに高い有効性(65-80%)が認められるとのことです。
G-CSFを併用するとさらに高い治療効果が期待できそうです。


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