血液検査について of 幸せのしっぽのために ~免疫介在性溶血性貧血に負けない!~




血液検査の数値について



血液検査は健康状態の大きな目安になるので、1年に1回、受けると安心です。
誕生日など受ける月をあらかじめ決めておくと、毎年同じ時期に忘れず受けられるので良いでしょう。

血液検査の正常値ですが、病院によっては多少値が違います。
詳しくは、かかりつけの獣医さんにお聞き下さい。

この値は、「イヌの病気百科」からお借りしました。
(ネコの値はまた違いますので、ご注意下さい。)


血球検査(CBC)

赤血球数(RBC)

体に酸素を運ぶ大切な働きをします。
脱水や貧血の有無を調べます。

正常値
55~85万個/mm3
高い
多血症・脱水(下痢・嘔吐・多尿など)
低い
貧血

白血球数(WBC)

体に侵入した細菌・異物を処理する働きをします。
細菌感染の有無を調べます。

正常値
6000~17000個/mm3
高い
感染症・白血病・アレルギー疾患
低い
パルボウイルス腸炎(ウイルス感染)・解熱剤(薬剤)の影響

血小板(Pt・Plt)

出血があった時、血を止める働きをします。
粘膜などからの出血の有無を調べます。

正常値
20~40万個/mm3
高い
---
低い
出血しやすい・皮下出血(青痣など)

ヘマトクリット値(Ht・Hct)

血液中に赤血球が占める割合。
血液の濃さを表します。
一般的にはPCVと言われます。

正常値
37~55%
高い
多血症・脱水(下痢・嘔吐・多尿など)
低い
貧血

ヘモグロビン(Hb・Hgb)

赤血球の中に存在し、体中に酸素を運ぶ働きをします。

正常値
12~18g/dl
高い
多血症・脱水(下痢・嘔吐・多尿など)
低い
貧血(主に、鉄分欠乏症)


赤血球数・ヘマトクリット値・ヘモグロビン量は、いずれも貧血の有無を調べる検査です。
貧血がみられた場合は、この3つの検査と次の3種類の検査結果が考慮される事があります。


平均赤血球容積(MCV)

赤血球1個の大きさを表します。
MCV=ヘマトクリット値×10/赤血球数

正常値
66~77f
高い
多血症・脱水(下痢・嘔吐・多尿など)
低い
貧血

平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)

赤血球1個あたりのヘモグロビン量を表します。
MCH=ヘモグロビン/赤血球数

正常値
12~18g/
高い
多血症・脱水(下痢・嘔吐・多尿など)
低い
貧血

平均赤血球血色素濃度 (MCHC)

赤血球1個に1個含まれるヘモグロビンの濃度を表します。
MCHC=ヘモグロビン/ヘマトクリット値

正常値
60~77fl
高い
多血症・脱水(下痢・嘔吐・多尿など)
低い
貧血



蛋白

総たんぱく(TP)

全身の状態を調べる為の検査です。

正常値
6~8g/dl
高い
脱水(下痢・嘔吐・多尿など)
低い
低栄養・腎疾患・ショック(出血・火傷)・悪性腫瘍などによる腹水

アルブミン(ALB)

肝臓で作られるたんぱく質の一種。
栄養状態を調べる為の検査です。

正常値
2.3~3.6g/dl
高い
脱水(下痢・嘔吐・多尿など)
低い
栄養不良・肝機能低下・腎疾患


黄疸

総ビリルビン(T-Bil)

黄疸の指標となる検査です。

正常値
0.1~0.6mg/dl
高い
肝硬変・肝炎・胆道閉鎖(胆嚢ガン・胆管ガン・胆石)・溶血性貧血
低い
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肝臓

GPT(トランスアミラーゼ・ALT)

肝臓に含まれる酵素で、肝機能の指標となる検査です。
肝細胞が壊れると、血液中に現れます。

正常値
15~70IU/l
高い
肝硬変・肝炎・肝脂肪・胆道閉鎖(胆嚢ガン・胆管ガン・胆石)・溶血性貧血・急性膵炎・レプトスピラ症
低い
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GOT(トランスアミラーゼ・AST

心臓・肝臓に含まれる酵素で、心筋梗塞・肝機能の指標となる検査です。
心筋・肝細胞が壊れると、血液中に現れます。

正常値
10~50IU/l
高い
心筋梗塞・肝硬変・肝炎・肝脂肪・胆道閉鎖(胆嚢ガン・胆管ガン・胆石)・溶血性貧血・急性膵炎・レプトスピラ症
低い
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腎臓

BUN(尿素窒素)

腎機能の指標となる検査です。
たんぱく質を消化した時に最後に出る老廃物で、尿から排出されます。

正常値
10~200mg/dl
高い
腎臓疾患・尿管閉鎖(結石・腫瘍)・脱水・ショック(出血・火傷)
低い
肝硬変・肝炎・タンパク欠乏

CRE(クレアチニン)

腎機能の指標となる検査です。
筋肉で一定量生産され、決まった量が腎臓から排出されます。

正常値
0.6~1.2mg/dl
高い
腎臓疾患・尿管閉鎖(結石・腫瘍)・脱水・ショック(出血・火傷)
低い
多尿

Ca(カルシウム)

主に腎不全の重度を知る目的の検査です。

正常値
8.8~11.2mg/dl
高い
副甲状腺機能亢進症・腎不全・骨の腫瘍
低い
副甲状腺機能低下症

P(リン)

主に腎不全の重度を知る目的の検査です。

正常値
2.5~5mg/dl
高い
副甲状腺機能亢進症・腎不全
低い
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血糖値

Na(グルコース・GLU)

各種ホルモン機能の指標となる検査です。
エネルギー源の一つで、各種ホルモンにより血中濃度は一定に保たれています。

正常値
60~110mg/dl
高い
糖尿病(インスリン分泌低下)・副甲状腺機能亢進症
低い
インスリン分泌過剰・膵臓疾患・副甲状腺機能低下・肝硬変・悪性腫瘍



電解質 

Na(ナトリウム)

正常値
135~147nEq/l
高い
クッシング症候群・浮腫
低い
脱水(嘔吐・下痢)・腹水

K(カリウム)

主に腎不全の重度を知る目的の検査です。

正常値
3.5~5mEq/l
高い
腎不全・胆管閉鎖(結石・腫瘍など)
低い
脱水(嘔吐・下痢)



その他

ALP(アルカリポスファターゼ)

胆道疾患・骨の疾患の指標となる検査です。
胆道の細胞・骨の細胞が壊れると、血液中に現れます。

正常値
20~150IU/l
高い
胆道閉鎖(胆嚢ガン・胆管ガン・胆石)・骨の病気(副甲状腺機能亢進症・骨肉腫)・甲状腺機能亢進症
低い
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総コレステロール(T-Cho)

細胞壁の成分・ホルモンの原料として大切です。

正常値
81~157mg/dl
高い
胆道閉鎖(胆嚢ガン・胆管ガン・胆石)・甲状腺機能低下・脂質代謝の異常(糖尿病・動脈硬化)・膵炎
低い
アジソン病・肝硬変・肝臓腫瘍・栄養不良

TG(中性脂肪・トリグリセリド・トリグリセライト)

糖・脂質代謝機能の指標となる検査です。

正常値
10~42mg/dl
高い
糖 脂質代謝異常・(糖尿病・肥満)・肝脂肪
低い
肝硬変・肝炎・栄養不良


白血球の分類

分葉好中球

細菌をやっつけるなどの防御の働きが主ですが
体の組織に障害を与えてしまうという特徴も持っています。
主に細菌感染で増加する、診断にも重要な白血球です。

正常値
2500~12500/μl
高い
炎症・感染症
低い
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棹状核好中球

作りかけの若い白血球です。
細菌に重度に感染すると、高くなります。

正常値
0~300/μl
高い
炎症・ストレス・興奮
低い
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好酸球

まだまだ不明な部分の多い白血球ですが、アレルギー疾患や寄生虫疾患で増え、
診断にも重要な項目となります。

正常値
0~750/μl
高い
アレルギー
低い
ストレス

好塩基球

通常は発見もまれな非常に数の少ない白血球なので、基本的にあまり中心的に見る項目ではありません。
慢性炎症やクッシング症候群で増加する事があります。

正常値
まれ
高い
アレルギー
低い
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リンパ球

主な働きは「免疫」に関する事で、抗体を作ってくれるのもこのリンパ球です。
また、ワクチンを打って、そのウイルスの事を覚えておいてくれるのも、このリンパ球の役割となっています。
主にウイルス感染で増加します。

正常値
1500~7000/μl
高い
興奮・リンパ系腫瘍
低い
ストレス

単球

ストレスや慢性的な炎症で増加します。

正常値
0~850/μl
高い
慢性炎症
低い
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